多汗症とは
体温調節のために汗をかくのは〈温熱性発汗〉といって人間の生理現象のひとつです。気温が高い時や運動した時に体を冷やすために起こる現象で、主に頭部や背部に現れます。
これに対し、気温や運動とはあまり関係なく、精神的な緊張に伴って起こるのが〈精神性発汗〉です。
これは手のひらや足の裏、ワキの下に多く見られます。これが過剰になった状態を「多汗症」といいます。「多汗症」には全身性多汗症と局所性多汗症があります。
ワキの多汗症
体温上昇や交感神経の刺激でワキから多量に発汗し、緊張や不安などで汗が流れ落ちるほど発汗します。ワキの汗はニオイの元を多く含むため、体臭が強くなるなどの深刻な悩みとなります。ワキの下に大量に汗をかくことで、服が黄ばむ、着る洋服の色や素材を制限されてしまうなど、日常生活に不便なことが多くなります。
手のひらの多汗症(手掌多汗症)
緊張やストレスなどにより手の汗腺が刺激され、滴り落ちるほど発汗します。大勢の人の前で自己紹介をしたり、初対面の人と話をする時、好きな人と手をつなぐなど、緊張すると手のひらにたくさん汗をかいてしまい、汗が気になって握手をしたり手をつなぐことができない、手の汗で書類が湿ってぐしゃぐしゃになってしまう、手を動かすと汗が飛び散るなど、日常生活に様々な支障が生じます。
多汗症の治療法
多汗症の原因となるエクリン腺は、人間のほぼ全身の体表面に分布している汗腺で、ニオイのないさらさらした汗を分泌します。多汗症はエクリン腺からの汗が多い状態です。
多汗症注射による治療は、ワキや手のひらに注射することで、汗やニオイの元となる神経の働きを弱めてエクリン腺からの発汗を抑え、多汗症やワキガを治療する方法です。メスを使わずに注射だけで治療ができるため、治療時間はわずか15分程度で、痛みや腫れもなく、煩わしいアフターケアや日常生活への支障がまったくありません。多汗症注射の効果は約半年間持続します。 繰り返し注射を行うことでアポクリン汗腺とエクリン汗腺が徐々に萎縮し、持続期間が長くなり、効果が倍増していきます。
注射が苦手な方や全身的な汗を止めたいと考えている方には、体調により漢方診察も行っております。
このような症状の方にお勧めしています
・ ワキにたくさん汗をかく
・ 毎日の汗のケアが面倒
・ ワキのニオイ(ワキガ)が気になる
・ 洋服の黄ばみ・汗ジミが気になる
・ 手のひらにたくさん汗をかく
・ 汗が気になって握手や手をつなげない
・ 書類やペンがすべる